男性の着物は最近の日本人が洋装に慣れ親しんだこともあり、寸法が以前の和服の寸法とかなり変化してきました。具体的には裄は長め、袴丈もかなり長くなってきています。しかしながら、身幅は狭くかつ裄は長いということは、胸元はかなり広くなり、補正をして着ることがあまりない男性の着物はかなり着心地は悪くなってしまいます。そこで裄と身幅の適正な加減をすることによってその方にふさわしい寸法を提案いたします。裄もぴったり、身幅もぴったりがその人の適正な寸法ではないのが、洋服と違い、直線裁ち、直線縫いの着物の特徴です。
袴をしめる紐の位置もズボンのベルト位置でしめる方が多くなって、ずいぶん長いような気がします。袴丈が長く、羽織の紐の位置が低いと、見栄えしません。また褄下寸法や共衿丈もお仕立てする側としては大事な要素です。これも身長からの割り出し等でお仕立てされている場合が多く、ないがしろしにされている部分ですので、実際に自分に合う着物を作るには縫製する人のそばで、寸法を見て貰う事が肝心です。